
未だ完全回復と言うには早過ぎますが、仏公的機関発表の各指標を見る限り、仏ワインを取巻く環境は徐々に好転してきています。仏農業省農業統計局(Agreste)発表では、2009年11月の仏農産品の貿易黒字は6億400万ユーロで、対EU加盟国の貿易黒字は前年比5%減となったものの、EU以外の国に対しては同127%増となりました。
その中でシャンパーニュとワインは、対独・対米輸出が増加しましたが、対英・対ベルギー輸出が減少のため、2008年11月比では金額で4%減、量で1%減の結果でした。しかしながら、2009年1月以来減少幅が最も小さくなっています。
またアジア地域への輸出では、香港、シンガポール、中国の伸びが顕著になっています。
また仏農業省管轄の統計機関(Agrimer)が発表した第3四半期までの国内の大規模流通業者によるワイン販売量は、前年度同時期より0.8%増の951万ヘクトリットルとなり、売上は同4%増の34億1,600万ユーロと国内ワイン販売も回復の兆しが鮮明に出てきています。
リーマンショック以降も二桁増で輸入が伸びている中国市場は相変わらず元気がよく、今年も中国、香港、シンガポール、台湾などがマーケットの牽引役となりましょう。
そこに相まって、世界最大規模の市場であるアメリカも回復の兆しを見せています。米国市場は当たり年にしか大きく反応を示さない特徴がありますが、今年4月以降に販売が始まる2009年ものプリムールは当たり年としての前評判が高く、米国勢の参入によってはワイン市場全体が活気づくのではないかと期待されます。
ヨーロッパ各国と日本市場は未だ閉塞感があり、伸びに転じるのはまだ先に思われますが、主要市場の中で、イギリスとドイツはやはり回復基調にあります。
総体的に見れば、2010年は昨年よりも間違いなく市場は好転するものと思われ、現在の円高環境と、新興マーケットの偏った消費のせいで非常に割安感のある銘柄も多く、各国の市場の反転次第で中期的にしっかりとした伸びが予想される銘柄は、良い買い場にあると思料しています。