
アメリカ発のサブプライム問題の影響で、昨年来、株式、為替相場は乱高下を繰り返し、その一方で商品相場は高騰し、原料高が個人消費にも確実に影響を及ぼしはじめる中、嗜好性の強いワインの相場は緩やかな上昇を堅持しています。
二桁の伸びを見せた2006年度の翌2007年度のボルドーワインの輸出額は1,280億ユーロ(前年比104%)と極めて堅調に推移となっています。
この堅調な動きの大きな要因の一つがワインの持つ「嗜好性」と言え、他の金融商品の相場の動きにも連動せず、現下の経済環境下では際だった安定性を示しています。
さらに、そのヴィンテージ(生産年)のワインは一度生産後は増産できないという特性も大きな強味で、経済発展が著しい、世界中に点在する新興消費マーケットの拡大により、以前は欧米や日本市場が頼りだったボルドーワインの輸出も、販売先が広く分散されつつある点も、特定の国の経済環境に左右されず堅調に推移している一因に揚げられます。
ワイン投資の視点では、銘柄による「勝ち組」と「負け組」が鮮明になりつつあります。具体的には、世界的な需要の流れがメドック地区の有名シャトーに集中し、当り年、外れ年を問わず堅調に上昇し、その中でも五大シャトー等の一部銘柄は著しい上昇を見せています。これに対して、10年前一世を風靡し、大幅な価格上昇を見せたサンテミリオン地区やポムロール地区の銘柄は、ここにきて需要が大幅に停滞しており、プリムールのスタート価格もかなり下落しているにも関わらず、市場にも在庫がダブつき気味となっています。
これは、★サンテミリオン地区やポムロール地区の銘柄が過去10年間かなり割高であったため、メドック地区のワインが割安感から買われたことと、★メドック地区のシャトーは生産量が多いため世界的に露出度が高いこと、さらには★1級から5級に分けられた理解しやすい格付けも、新興マーケットの消費者に受け入られる土壌があったことなどがあげられます。
しかしこの状況も未来永劫継続するとは考えられず、サンテミリオン、ポムロール地区のワインが新興マーケットに浸透すると、需給バランスもかなり改善されるものと思料されます。