
昨年9 月のリーマン・ショック以来、金融、商品市場の混乱と主要国の景気後退により、あらゆる商品の消費低迷に拍車がかかっているところですが、世界各国のワイン市場の現状についてご案内いたします。中でも、その国の経済情勢とともに使用通貨との兼ね合いが重要なファクターになっていると見られます。
今後の為替動向について述べることは避けたいと考えますが、実勢売買価格の多少の下落はあるものの、根本的なワインの価値は大幅には下がっておらず、株や他の金融商品とは一線を画する消費材の強味があると思料しています。
今後の中期的展望を占う調査として、英調査会社IWSR 社(International Wines and Spirits Record)が、ヴィネクスポ(VINEXPO)開催機関の依頼で行った「ワイン市場 の将来に関する調査レポート」が発表されました。
レポートによれば「2012 年までには世界のワイン生産量は30 億ケースを超え、世界のワイン消費量も28 億1,600 万ケースに達するだろう」と予想しています。また「米国がイタリアを抜いて、スティルワイン消費量世界一となり、中国とロシアのワイン消費量はスペインを上回るレベルになる」とも見ています。
IWSR 社はこの予想の根拠として、近年のロシアと中国のワイン消費の大きな伸びを挙げており、2008-2009 年にこの2 国だけで、世界のワイン消費増加量の58%を占めた点から、現在の世界的な景気低迷が底打てば再度この傾向となると予想しています。
さらにワインに関連する諸機関が発表している通り、多くのワイン主要生産国ではワインの消費量が減少傾向にあるものの、その一方で、IWSR 社の調査対象114 ヵ国中108 ヵ国ではワイン消費量が年々増加している事実が明らかになっています。同社は、将来これらの国々で順調にワイン消費量が伸びれば、世界のワイン消費は確実に増加に向うだろうと予想しています。 