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 有名シャトーを様々な角度から紹介するシリーズの第1回目は、ポイヤックの1級格付、シャトー・ムートン・ロートシルトを取り上げました。
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ボルドー・プリムール・テイスティング現地速報!

Ⅰ. 記録的なテイスター数
 2009年ものワインのプリムール・テイスティングが、3月30日から4月1日の3日間、ボルドーで開催されています。現地からの速報リポートです。
 毎年3月末から4月上旬にかけて、ユニオン・デ・グラン・クリュ(グラン・クリュ協会)をはじめとするボルドー地方の各シャトーが、世界中のプロフェッショナル向けに開催するプリムールのテイスティングに今年も役員2人で出張してきています。ワインの出来を確かめる前に、とにかく驚いたのはそのテイスターの数の多さです。
 初日3月30日の午前11時、シャトー・ムートン・ロートシルト、シャトー・モンローズのテイスティングを終え、サンテステフ、ポイヤック、サンジュリアン地区のユニオン・デ・グラン・クリュ加盟シャトーのテイスティング会場、ポイヤック村のシャトー・バタイエに着いた時には、近隣の道路に溢れて路上駐車する車の数に先ずはビックリ。受付を済ませて会場に入ると、歩くのも容易でないほどの人また人の波にさらに驚きが。
 同シャトーでは、初日の来場者数見込みを1,300人としていたのに対し、9時開場からわずか2時間で1,365人が訪れたとのこと。シャトー・ムートン・ロートシルトの支配人、エルベ・ベルラン氏によると、近年で最高の当たり年の2005年もののテイスティングに同シャトーを訪れた人が1,200人に対して、今年は予約だけで1,700人の申込といった凄まじさで、他の1級格付シャトーも全く同じ状況とのことです。

Ⅱ. 中国から熱い波、到来!
 毎年この時期にボルドーに出張していますが、今回、どのシャトー、どのテイスティング会場に行っても、圧倒的に多いのが中国系の人の数です。
昨年までは決してプリムールの買い手ではなかった中国市場ですが、今年の盛り上がりは並大抵ではなく、現地の新聞、Sud-Ouest紙の記事でも、今回の来場者の国別順位では、イギリス人に次いで中国人が2位となっています。
 中国系の人々は、4、5人から多いと20人位の団体で、各会場でテイスティングしており、それをボルドーのネゴシアンが競ってアテンドしている様は、1995、1996年ヴィンテージがリリースされた頃の日本人を彷彿させます。
 イギリス人、中国人に加え、アメリカ、スイス、ベルギー、ドイツなどからも多くのバイヤーが訪れており、主要なマーケットのバイヤーで一番数が少ないのは我が日本かもしれません。

Ⅲ. 何故これだけのバイヤーが?
 どうしてこんなに多くのバイヤーが訪れているかを考えると、先ず2009年の当たり年としての前評判の高さが挙げられます。
 以前のコラム(2009年12月7日)でもご紹介しましたが、2009年は、2000年代では間違いなく最高で、20世紀から21世紀にかけても稀な当たり年である、2005年に匹敵する当たり年との前評判が世界中に浸透しており、これだけ多くのバイヤーを集める大きな原因となっています。
 次に、日本で生活しているとあまり実感が湧きませんが、他の国の景気はかなり回復してきていることが次の原因として挙げられ、買い意欲も昨年と比べてかなり増してきており、さらにギリシャ問題に端を発するユーロ安の影響も、各国のバイヤーに買いシグナルを送る一つの要因となっています。
Ⅳ. 予想される展開は?
 しかしプリムールは好きなだけ買えるものではなく、優良銘柄になればなるほど割当がきちんと決まっており、シャトーの生産量には限界があることから、買い手の数がどれだけ増えても玉数が劇的に増えることはありません。
 今回ボルドーを訪れている中国系のバイヤーが、どれだけ望むワインを手に入れられるかと言えば、彼らの望む数には程遠い数となるのが現実です。
それでも余力のある中国系バイヤーが買いに走れば、間違いなく「短期間で高騰」という答えになり、プリムール段階でどんどんワイン(正確には権利ですが)が転売される状態になるかもしれません。
 唯一の懸念はシャトー側も強気のスタート価格を付けてくることですが、それを飲み込んで価格を押し上げるパワーが感じられる今年のプリムールです。
                                           株式会社 ヴァンネット
                                      高橋 淳(エグゼキュティヴ・バイヤー)

[ 2010/04/01 ]
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